50代以降にドライマウスを訴える患者さんが増えるというのは、ちょうどこの年代に体調の変化があったり、病気の罹患率が高まってさまざまな薬を常用する機会が増えたり、あるいは子供の進学の面で悩んだり、老後の不安が高まったりしてくることも関係しているとも考えられます。
まずは自己判断せず、歯科で相談してみましょう。「ドライマウス」は簡単な検査ですぐわかります。そして症状を和らげる適切な治療もあります。
実は、原因がわからないゆえに悩むことがドライマウスの症状を悪化させているということがよくあるそうです。
緊張時には口の中がカラカラになりますよね? 反対にリラックスすると、だ液分泌が良くなります。よだれを垂らして寝ている・・・なんていうのは、格好は悪いですがリラックスの極地なんですよ。
それはともかく、まずは得体の知れない不安を取り除くことが改善への第一歩です。
具体的なケアとして心がけたいのは「口の中の保湿」。
と言っても、単にお水を飲むだけでは一時しのぎにはなっても持続性がありません。
このサイト内でお伝えするワザで言えば、唾液分泌を促進する「手作り昆布キャンディー」、お口の中を保湿する「はちみつ湿布」、口周辺の筋肉を鍛え、唾液腺を刺激する「顔面あいうえお体操」などが、ご自分でできるケアとなります。
口呼吸の習慣がついてしまっていると症状が悪化しますから、その場合は「ペットボトル・エクササイズ」も行なうと良いでしょう。
口臭が気になるからといって、むやみに歯磨きやマウスウォッシュをするのもNG。
STEP-3で詳しく解説していますが、市販の歯磨き剤やマウスウォッシュの中には、口を乾燥させかえって息のニオイを助長させるものもあるので要注意です。
あとは、
- 1日3度の食事を規則正しく摂って唾液の分泌を促すこと
- リラックスした時間を持つこと
- 3ヶ月に1回程度歯科医院で定期検診をしてもらうことで、お口の状態を正確に把握し改善の度合いをチェックしてもらうこと。
これを心がけてください。
ただし、こうした指導で改善しないケースもあります。それはシェーングレン症候群という自己免疫疾患で「膠原病(こうげんびょう)」の一種。
この病気も患者さんの男女比は、1対14と圧倒的に女性に多く、40歳代から60歳代に発症することの多い病気となっています。
原因ははっきりとわかっていないのが現状ですが、対処療法はできるそうです。
ドライマウスは全身の不調のサインとなっていることがありますので、決して軽視しないことです。