「口臭チェッカー」あるいは「ブレスチェッカー」と称される商品がドラッグストアやネット通販で売られています。

価格は三千円前後。ポケットに入れて持ち歩け、気になる時に息を吐きかけるだけで、口臭があるかどうかわかるというもの。
口臭がある場合、マークが浮き出るようになっています。

あなたも、このような簡易型の口臭チェッカーを使ったことがあるかもしれません。

デートや面接・大事な商談など、ここぞという時の前にどうにかしてイヤな口臭がしていないか知りたいものですよね。

「ものは試し」と私も購入したことがあります。そして、その結果に一喜一憂していました。

でもそうするうちに、いつでもどこでも口臭をチェックしないと気が済まない“口臭チェッカー依存症”とでもいうべき状態に陥ってしまったのです。

自分で実行している口臭予防・解消法に自信が持てず、器械に振り回されていたんですね。
いつも口臭のことが気になって、精神的に参ってしまいました。

そんな時です。訪れた口臭外来の先生にチェッカーの話をすると、意外な答えが返ってきました。

「息を吐きかける角度や外気の状況によって結果が左右されるから、参考程度と思ったほうがいいですよ」

なんと! 

「簡易口臭チェッカーの精度には疑問アリ」

というのが専門家の見解なのです。
しかも驚いたことに、口臭外来を標榜する歯科医院が導入している何百万円もの測定器ですら、正確さは怪しいとのこと。

それはこういうこと。

同一人物が同じ条件で続けて息を吐いたとして、同じ数値を再現することはまずないというわけ。

通常、口臭は無臭をゼロとして数値で表します。
そして、数値が大きくなるほど強いニオイと判定されます。

でも、ニオイには不快なものとそうでないむしろ心地良く感じるニオイとがありますよね。
この感覚は、個人的な記憶や体験にとても強く結びついています。

ある人にとっては「汗臭い」と感じるニオイが、「セクシー」と思う場合もあるでしょう。
甘いニオイが好きな人もいれば、お菓子が苦手で甘い香りを嗅ぐと気分が悪くなるという人だっているかもしれません。

つまり私が言いたいのは、ニオイの感じ方というのは個人差があり、単純に数値化して判断できるものではないということ。

とはいえ、口臭に悩む身としては、何か基準が欲しいと思うもの。

ちなみに口臭外来では、「無臭」に近くなることを治療完了の目標にします。このサイトが目指す口臭解消の目安も、やはり「無臭」。

口臭外来では、測定器の数値を参考にしながら、だ液分泌を増やすための指導や口腔衛生ケア、精神面のカウンセリングなどを複合的に行ないます。

そのプロセスで、もっとも重視されるのは、先生の嗅覚。間近で、ハーッと息を吹きかけ、ニオイなしとなれば、口臭外来卒業となるわけです。

このサイトでお伝えしているワザを活用していただければ、あなたもこの基準で「口臭卒業」ができます。

もう、口臭チェッカーに振り回されるのはやめましょう!