これまで、あなたも多くのものを試されたと思いますが「息ケア商品」という市場があります。
世の中には、それだけ口臭に敏感だったり悩んだりしている人が多いことの裏づけでもありますよね。
ただ、そうした商品は数多く存在しますが、残念なことにそのほとんどは良い香りで不快なニオイを抑えようというコンセプトのものがこれまでの主流でした。
そこに新しい概念を持ち込んで、一躍年商20億円に迫るヒット商品となったのが、江崎グリコから発売されている「BREO」シリーズ。
舌の表面に付着した食べカス(舌苔)に含まれるタンパク質を取り除き口臭をなくすという働きを謳った商品です。
舌苔に含まれるタンパク質はそのまま放置すると、揮発性硫黄化合物というイヤな臭いを発するガスとなり口臭の原因となります。
舌の上にあるその原因物質を未然に退治し口臭を予防できるというのが、この商品のセールスポイント。
これまでのように、ニオイを誤魔化すのではなく、ニオイのもとそのものを除去しようという一歩踏み込んだ製品に私も注目しました。
そこで「口臭解消アドバイザー」としてのアンテナに引っかかったのが、このヒット商品の開発ストーリーです。
BREO開発のきっかけとなったのは、ある病院の介護現場からの報告だそう。
それはこういうこと。
社内の健康科学研究所で、食物を飲み込むことが困難な人向けの嚥下(えんげ)食を開発していたところ、ある研究員が
「患者に舌苔が多く口臭が強いので、試しにパイナップル果汁を塗ってみたら嫌なにおいが減った」
という話を介護職員から聞き、BREO開発のヒントを得たというのです。
研究所で詳しく分析してみたところ、パイナップルの果汁にはタンパク質を分解する酵素(パパイン)が含まれ、舌苔に含まれる食べカスの分解に役立っているという結果が。
さらに、生パイナップルは繊維質が豊富で適度な酸味があるので、唾液分泌促進効果と清涼感を与えるため、お口の健康と衛生に貢献するものだと言います。
繊維質は便秘改善にももってこいですよね。
実際、医療の現場では、癌の末期患者や麻薬中毒患者の唾液不足と口腔衛生管理ができない場合の補助食品として、口臭を緩和する目的で食事として与えるなどの応用がなされています。
この原理を「口臭解消」に役立てるべく編み出したワザが
「生パイナップルアイスキャンディー」
パパイン酵素の働きを借りて口臭解消に役立てようとするなら、パイナップルは「生」であることが条件。
缶詰などの加熱処理されたものではダメ。というのも、パパインのたんぱく質分解作用は60度以上の加熱で効力を失われるとされているからです。
なので、スーパーや青果店で丸ごと買ってください。ドールのスウィーティオパインなら298円~398円くらいで購入できます。
「切り方がわからないよ~」と躊躇するかもしれませんが、その点はご安心を。
ちゃんと丁寧なカットの仕方が商品タグの裏に書かれているのでその通りにカットすれば簡単にできます。
また、こちらのサイトでは動画で切り方を紹介してくれているのでご参考にどうぞ。
(ご自分でカットするのが難しいという方はパイナップル専用の調理グッズ「パイナップルスラーサー」を利用すると簡単にカットすることができるので試してみてください。)
選び方のポイントとしては、次の点を参考にしてください。
- 表面の溝が深く、緑色が濃く残っているものが新しいもの。
全体に赤みがあるツヤのよいものがオススメ。
葉の部分が枯れているようなものは避けること。
- できるだけ大きめのサイズで、持ってみたときにずっしりと重みがあり下のほうが膨らんでいる、人間でいえば「安産型」がベスト。
説明書きどおりに4分割にしたら、そこから一口大に切り分けます。これを密閉容器に入れて冷凍庫で凍らせてください。
凍ったものを一つずつ取り出し、おやつやデザートとして口の中でゆっくり溶かしながら転がして食べるのです。
パパイン酵素がジュワッと溶け出して舌苔を分解し、口臭の原因を取り除くことができます。
生でそのまま食べるよりも、口の中で転がすことによって、よりパパイン酵素を舌苔にいきわたらせることができるのがこのワザのミソです。
実は、キウイにも同じ酵素があり「BREO」にはその抽出物が使われているとのこと。
ただ、凍らせたときの味はキウイよりもパイナップルのほうが美味しいので、私としてはこちらをオススメします。
凍らせるとはいえ、カットした後はあまり日持ちしないので、できれば1週間~10日で食べきるようにしてくださいね。
また、パイナップルには適度な酸味による食欲増進効果や、日焼け予防に役立つビタミンC、疲労回復に役立つビタミンB1など、夏の健康を守る栄養素がたっぷり含まれてもいます。
今は季節を問わず手に入る食材ですが、とくに夏は積極的に摂取されると良いかもしれませんね。