(1)寝起きの口臭
夜寝ている間は、だ液の分泌が抑制されます。起きてすぐは口が乾燥し、のどの渇きを感じるのはそのため。
この状態が、お口の中にいる微生物(細菌)の活動を活発化します。しかも、起きてすぐはだ液の分泌が十分でないため、細菌が発するイヤな臭いのもととなるガスを洗い流すことができません。よって、口臭が発生しやすくなるわけです。
夜寝る前の歯磨きが十分でなかったり、前夜に飲みすぎたり臭いのキツイ食べ物を口にしていたりしたら、特に注意が必要です。
(2)緊張・ストレスによる口臭
精神的ストレスは、だ液分泌をつかさどる副交感神経の働きを抑制します。
緊張時には、口がカラカラになりませんか?
この時のお口の状態は寝起きと同じようになっているのです。
即座に水分を補給できれば解消できますが、そうでないとイヤな口臭が起こりやすくなります。
(3)加齢による口臭
老化するとだ液の分泌が低下します。
前項で触れたドライマウスに悩む人の多くが更年期以降の女性であることも、このためです。
だ液が減れば、当然口の中は乾燥し口臭が発生します。
しかも、お口の中には常に何種類もの細菌がいますが、加齢により悪臭を放つ悪玉菌の比率が大きくなることも口臭がしやすくなる要因となります。
(4)生理時の口臭
女性の場合、生理時あるいはその前後に口臭がきつくなりやすいと言われます。
これは、自律神経のバランスが崩れだ液分泌が一定しないことや、血液中のホルモンバランスの変化によるとされています。
(5)妊娠時の口臭
生理時と同じく、血液中のホルモンバランスの影響が考えられます。
また、つわりによって歯磨きがしっかりできないと、歯肉炎などを起こし口臭を起こしやすくなります。
(6)思春期特有の口臭
第二次性徴期に当たる中学生から高校生に多く見られます。
個人差はありますが、急激な成長に伴う血液中の性ホルモンや成長ホルモンの増加が影響していると考えられています。
一時的なもので、ある年齢に達すれば消えるので、気にしすぎないことが大切です。
むしろ、こだわりすぎては、「自臭症」になり、それを克服するほうが大変になります。
本人もよく自覚している場合が多いので、親御さんは「クサイよ」と指摘するばかりでなく、具体的な改善策を提示して良き相談相手となるように心がけてあげてくださいね。
(7)体調不良時の口臭
不規則な生活や寝不足で疲れが溜まっている時・風邪を引いた時は、免疫力が低下し、舌の汚れ=舌苔(ぜったい)が付着しやすくなります。
これが、イヤな口臭のもとになるのです。
風邪で薬を服用している時は、副作用で口が乾いて口臭がしやすくなることも。
一時的なもので、生活リズムや体調が回復すれば元に戻りますが、放っておくと慢性的な口臭へ発展する可能性もあるので、ニオイを感じた時はきちんとケアしたほうが良いでしょう。