<ワザ7>で紹介されている「手作りだし昆布キャンディ」について。
口の中にずっと食べ物を入れていると歯が溶けるという話を聞いたのですが、その心配はありませんか?
はい。ご心配はいりません。

食事や飲み物を摂取すると、3分ほどで口の中が酸化して歯の成分であるカルシウムやリンといったミネラルが溶け出してきます。この状態を「脱灰(だっかい)」と呼びます。

でも、人間のからだは良くできたもので、しばらくすると、唾液の力によって口の中を中和する作用、虫歯をつくるミュータンス菌のえさとなる食べカスを洗い流す作用が働き、溶け出したミネラルが歯にきちんと戻っていくのです。これを「再石灰化(さいせっかいか)」と言います。

要は、歯が溶け出しても、その成分が戻るために働く唾液さえ、きちんと分泌されていればよいのです。

その点、昆布を噛み続けることでだ液の分泌は継続しますから「歯が溶け出しっぱなし」の状態にはなりません。適度に噛み続けることが大事です!

 

ただ、唾液が分泌されていたとしても、糖分の多いものが口の中にずっと入っているのはNGです。
糖分の多量摂取は歯の再石灰化を遅らせるばかりでなく、虫歯をつくるミュータンス菌にエサを与えているようなもの。そうなると歯が溶け出した状態に悪さをして、穴を開けてしまうのです。

ですから、唾液を出すためといって、あめ玉やガム(キシリトール成分が含まれていないもの)を長い間口の中に入れておくのはオススメできません。
その点、昆布なら糖分を含まないので安心です。

 

ちなみに、糖分は炭水化物にも含まれます。
甘いものばかりでなく、ごはんやパンだって食べっぱなしではダメ。
しっかり歯磨きして食べカスを落としてくださいね。

 

よく歯磨き剤のCMで言われていますよね。「歯の再石灰化を促すフッ素成分配合」とか。

口臭の悩みを持つ方は、唾液の分泌が良くない場合が多いので、口内環境を整え再石灰化しやすい状態をつくるためにも、こうした歯磨き剤の使用をオススメします。